【コラム003】才と徳のバランスが大切

古典から學ぶ人間學には「才」と「徳」という概念があります。才は能力、資格、スキルなど、仕事で成果を出したり、スポーツでは結果を出すところです。これは成績、数量、順位など目に見える部分です。

徳は心構え、在り方、素直など、人格を表すもので目に見えなく数値化できない部分です。プレイヤーとして成果を出していくには才の部分の比重が高くなります。組織をまとめて成果を出していくには徳の部分の比重が高くなります。これはどちらが良い、悪い、という話ではなく、どちらも役割があり大切だということです。そのバランスを自身が認識し、どのように活かせるのかを知ることが人生を充実させるポイントです。

才に関しては磨くことでお金を稼ぐ能力となったりするので巷では才の勉強会や講座は多数あります。徳を磨くという勉強会はかなりの少数です。それは、徳を磨いたからといってすぐに状況が変わる、収入が上がるというわけではないからです。ですが、徳を磨いた人の方が世の中で大成しているのも事実です。

論語にはこんな章句があります。 「徳は孤(こ)ならず、必ず隣(となり)有り」これは、どんな状況でも徳を大切にし、実践している人には支援者や応援者があらわれるという意味です。自分の行いが正しく、人の道に沿っているならば、大丈夫だからという意味にもなります。

菜根譚にはこのようにあります。「徳は才の主(しゅ)にして、才は徳の奴(ど)なり」これは、才と徳とではどちらを優先するべきか?というように考えた時にはこの章句です。才は徳があればこそ正しい力を発揮する。ただ才だけを磨くだけではその能力を正しいものに使えるかどうかの判断基準が備わらない。だから、徳が主軸になり、才を発揮するということです。

古典や多くの偉人たちから學べる人間學のガイドラインの基準には、徳を優先させること。これが鉄則です。

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